なぜ猫は幼くして子どもを産んでも育児できるのか

ちょっとした疑問がある。

猫は生後6か月頃から妊娠が可能になる。
人間ならまだ中学生くらいの年齢感覚だ。

そこで驚くのは、幼い母猫でもある程度きちんと子育てができることだ。

誰に教わるでもなく、なぜ猫はそんなことができるのだろう。
そこには、人間と動物の「育児本能」の大きな違いがあるらしい。


猫はどれくらいで大人になるのか

猫は生後6〜10か月ほどで性成熟し、妊娠が可能になる。寿命が12〜18年ほどであることを考えると、人間よりかなり早い段階で繁殖能力を持つことになる。

ただしここで大事なのは、

妊娠できる=完全な大人ではない

ということだ。

体は繁殖可能でも、精神面や体力面ではまだ未熟なことも多いはず。


幼い母猫でも育児できる理由

結論から言うと、それは強い「本能」があるからだ。

猫は初産でも、誰にも教わらずに自然とこうした行動をとる。

・へその緒を噛み切る
・胎盤を処理する
・子猫の体を舐めて呼吸を促す
・授乳する
・体温を守る
・排泄を促す
・危険から守る

これらは学習ではなく、生まれながらに備わった行動だという。

最初からマニュアルが体に組み込まれているということか。
だから幼くても、最低限の育児はできるというのか。


でも若い母猫には弱点もある

とはいえ、若いうちから何でも完璧にできるわけではない。

若い母猫には、

・落ち着きがない
・授乳が安定しない
・子猫を放置してしまう
・自分の成長に栄養が取られる
・乳量が不足しやすい

こうした問題も起こりやすいそうだ。

つまり、

育児の基本は本能でできるけれど、上手さは経験で育つ

ということだ。

これは人間とも少し似ているのではないか。


では、人間には育児本能がないのか?

実は人間にもあるという。

赤ちゃんを見ると、

「かわいい」
「守りたい」
「泣いたら気になる」

こうした反応は自然に起こる。

これは生物として備わった反応であり本能だ。

でも猫の育児ほど具体的な「やり方」は組み込まれていない。

それはなぜなのだろうか。


人間だけ育児が難しい理由

人間の赤ちゃんは極端に未熟な状態で生まれる。

歩けない。
自分で食べられない。
長期間守らないと生きられない。

人間は猫よりずっと手がかかる。

さらに人間は生活環境が複雑で、地域ごとに育児方法も異なる。

そのため人類は、

本能だけではなく、学習しながら育児するよう進化した

と考えられている。

しかも昔の人間は、母親ひとりで育てていなかった。

祖父母、父親、兄姉、仲間たち。

みんなで育てる「共同養育」が基本だった。


猫と人間の決定的な違い

猫は、

育て方がかなり最初から入っている生き物

であり、

人間は、

育て方を学ぶこと込みで完成する生き物

である。

だから猫は幼くてもある程度育てられる。

一方、人間は大人になっても育児に迷うことがある。

それは能力不足ではなく、人間という生き物の自然な姿ということだそうだ。

ふとした疑問だったが、合点がいった気がする。


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